文学部・経済学部

「語学力」をキーワードに伸び続ける文学部 文学部や後述の経済学部は、一部の学科を除き一般的に見ると、全体の専門性が低く評価されていました。それが原因となってか、決まった業界へ就職する図式が成り立ちませんでした。

 しかしこれは、裏を返せばどの業界にも就職できるマルチなメリットを兼ね備えているともいえ、バブル以来の売り手市場に対して非常に優位に働く要因になります。 就職率がなんと平均約1割近く伸びているのです。 この要因には企業が、専門職のほか一般職、総合職など雇用を控えていた部門で雇用を再開したこと、社員の絶対数が足りなくなったことで雇用人数の絶対数が上がったこと、などが挙げられます。

上位校に女子大が多いことからも雇用拡大の影響がうかがえるでしょう。 加えて、国内企業のグローバルな展開や外資系企業の進出により、語学力やビジネスパーソンとしての国際競争力が求められていて、これが文学部の学生の追い風にもなっています。


経済学部

 経済学部は、1学科によって内容が異なるものの、就職率が仲びていることがわかります。ここ数年で学科の細分化や専門性の高い大学の開設も進んでいて、ランク外には専門性をより強めた大学が顔を並べています。数年後には、経済・経営・国際などに特化した専門大学が軒並み名を連ね、上位に入ってくることでしょう。

 専門性の追求は文学部で前述したように、ビジネスの国際化が牽引しています。国際社会で通用する力、つまり、グローバルに事業を展開していく力が国内外から求められている昨今、そのための基礎力を学べる環境を整備する大学が増えています。 経済学部系統は文学部と同様に、今後さらなる雇用拡大が見込める学部です。併せて大学による専門性の追求、国際化への対応などが進むことで学部生のスキルも上がっていくことでしょう。


法学部・教育学部

就職先が一般企業などにも拡大している法学部 法学部上位10校の就職率の変遷を見ると、確実に伸びています。1位でさえ80%に満たなかった2007年度に対し、09年度は上位8校までが軒並み80%を超えていることから、就職率の伸びが際立っています。 就職率が伸びた要因のひとつに、外資系企業への就職が増えたことが挙げられます。 

法学部の就職傾向は、ひと昔前だと国家公務員試験を受け官公庁に入るのがベストとされていました。しかし、法学部生の専門スキルを評価した外資系企業が積極的な採用を始めると、給与面や福利厚生面などでの好待遇から学生が流れています。

その結果が、全体の就職率アップに結び付いているようです。 就職先を見ると、圧倒的に多かった公務員が減少傾向にあります。これは、外資系企業の雇用拡大と、国内企業の知的財産部の強化など、雇用勢力図が変わったことを示唆しています。また地方自治体の財政難や公務員による不祥事など、社会的な誘因もあるかもしれません。


教育学部

 教育学部も高い就職率を誇っていますが、すでに「教育学部=教師」の図式は崩壊しています。少子化による学校の統廃合など就職先の絶対数の減少がその要因です。 また、最近の教育現場で問題になる陰湿ないじめや非行問題、モンスターぺアレンツなどの影響から教師を志す学生が減っていることも事実です。 

しかし、それは皮肉にも教育学部がここ数年で就職率をアップさせた要因の一つになっています。 大学では、「教育とは何か。誰のためのものか」など教育原理から教育現場、家庭、行政、そして地域社会までを見つめ直し、どのような対応が最善なのか地域文化や心理学の側面から研究する学科を設けています。この分野は、教育にとどまらず、幅広い活躍の場を学生に提供することにつながっています。 

国立大学が幅を利かせていた2007年度と比較しても、09年度は新しい学科を設けた私立大学が上位にランクインしていることからも、この分野のニーズの高まりがわかります。


理工学部・農学部

研究・開発を企業と連携し就職先の安定化が進む工学部 理工・農学部系は、もともと専門性が高く卒業後即戦力になることから、10年単位で見ても就職率が安定しています。

近年この分野の専門職や研究職は、大学院卒が条件の企業も増えていますが、全体の就職率に影響するほどではないようです。また産学連携がさらに進み、大学と企業の協同開発プロジェクトや企業へのインターンシップなどが盛んな分野でもあります。 大学側は、研究実績や学生確保の一環として企業と連携し、さらにそれによって、大学の研究成果をビジネスに直結させています。一方の企業側は、より高度な知識、研究所などを有効に活用できるメリットを求め大学と連携しています。企業にとっては、学生時代から自社に慣れ親しんでもらうことで、卒業後に迎え入れる準備にもなるでしょう。

 景気の回復は理工学部卒の需要も拡大させています。就職先の割合は、学部卒がメーカーの設計・生産技術など製造工程に携わる職種が多く、院卒はメーカーの製品開発や技術に関する研究・開発職種の採用が多くなっています。就職先は日本を代表する一流企業が多く、業界としても飛躍し続ける分野です。

理工学部出身者のニーズは、今後も拡大の一途をたどるでしょう。
農学部生へのニーズは、農業に代表される農学部のイメージは、もはや農学という観点から遺伝、育種、栽培、バイオテクノロジーなど多岐にわたっています。農学部卒の進路は、企業や官公庁の農業関連の研究機関が多く、次いで食品や医薬品の研究に就くケースが見られます。 

高就職率の主要因となっているバイオテクノロジー分野では、細胞融合技術やDNA組み換えなど、先進的な技術開発に携われる人材が求められています。

また、最新技術を扱う企業では、本来文系職の広報や営業に、専門知識が必要とされ始めており、農学部卒へのニーズが高まってきています。 そうしたなか上位大学は、修了した学生が技術者としての質を保証される日本技術者教育認定機構(JABEE)認定プログラムを積極的に取り入れています。このような取組みが、学生の基礎力向上と就職率アップにつながっているのでしょう。




*駿台監修大学ガイドより抜粋

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